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祖父の思いを心に刻んで
こんにちは、annaです。
9月に入り、日が落ちるとカネタタキやコオロギの鳴き声を耳にするようになりました。暑い暑いと言っている人間よりも、虫たちのほうが季節の移り変わりに敏感なのかな、と思うこのごろです。
ところで昨日、9月1日は防災の日でした。1923年・大正12年のこの日、関東大震災に見舞われたことに因んで制定されたそうです。
その関東大震災は87年も前の出来事ですが、祖父から体験談を聞いたことがあります。
当時横浜在住の学生だった祖父は、関東大震災当日、大学進学のための参考書を買いに、東京・神田に出かけていました。それが生死を分けたのです。
震災後の焼け野原をなんとか歩きとおして横浜の自宅(があった場所)に戻ったものの、家にいた母親も弟も3人の妹たちも、みんな亡くなっていました。「自分がいたら、逃げ道をみつけられたのに……」と無念の思いを抱きつつ、仕事に出ていた父親を探して街のあちこちを歩き回ったものの、それとわかる遺体を見つけることもできなかったそうです。
田舎の親戚を頼って愛媛に戻った祖父は、以来、96歳で天寿を全うするまで、一度も横浜を訪れることはありませんでした。仕事で近くまで出張しても、また横浜に居を構えた叔父(祖父の長男)が招待しても、「行きたくない」と首を横に振るばかりでした。
外出するときは帽子をかぶり、コロンをひとふりというように、明治生まれにしてはハイカラで、折りあるごとに、「長幼序あり」「鳩に三枝の礼あり」などと格言を教えてくれた“やさしいおじいちゃん”が、どうしようもない悲しさを胸の奥にしまって生きてきたことを、孫としてしっかりと覚えておこうと思っています。
更新日時: 2010年09月02日 14:29